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超難解 総義歯学(1) |
総義歯の考え方 |
患者さんに総義歯を装着して満足していただけるときと、調整を何度繰り返しても納得してもらえなかったりで困ったことはありませんか? 免許を持っている私達は総義歯の形を成すことはそんなに難しいことではありませんが、全ての患者さんに満足できる総義歯を作ることはとても困難なことだと感じています。 他の補綴物とは違い基準となる全ての歯牙が喪失し顎堤の吸収が起こっていては、設計図が無いのに建物を建てることに等しいと思います。 しかし、数千年経過した遺跡からでも残されたランドマークや生活様式を知って復元することができるなら、顎堤や顔貌から天然歯の配置や顎位等も以前に近い状態まで復元できるのではないでしょうか。 つまり、復元するに必要な学問を習得する努力を常に払っていれば、難症例に遭遇した際にも口腔の機能と役割などを知っていると容易に対応でき、診査・診断でランドマークから復元するヒントが見つけることができるのではないでしょうか。 また、経験が不足がちの方には一種の”博打”のような一発完成総義歯はとても危険なことで、それなりの負担を払った患者さんには仮に旨くいけば当然と思われ、問題が発生したときには調整に多くの時間を費やさなければなりません。 |
義歯に関係する筋肉 |
表情筋と咀嚼筋 |
頭蓋の前面に拡がっている筋肉には表情筋と咀嚼筋があり
それぞれ付着形態や機能、神経支配に大きな違いがあります。 表情筋は浅頭筋とも呼ばれ表層に位置し頭部全面に24の筋肉が存在し特に総義歯に係わる口裂周囲の筋肉は12あります、表情筋は骨からおこり皮膚に停止し、皮膚からおこり皮膚につく、つまり筋肉が収縮すると皮膚が骨に近づき顔面の表情を作るのである。 咀嚼筋は深頭筋とも呼ばれ下顎枝の内外面に位置する4つの強大な筋肉群で頭蓋骨よりおこり下顎枝に付着し収縮によって下顎骨を持ち上げ咀嚼運動を成立するのである。 |
舌骨上筋群と舌骨下筋群 |
下顎骨と胸骨の間を縦走する筋肉で舌骨を境に上にある筋肉群を舌骨上筋群、下方にある筋群を舌骨下筋群といいます。 |