最新記事                     2007.2月分

10年経過インプラントの現在2007.2.27

記憶にはありませんが検索してみました結果、私が作ったケースでした。
下顎 両側にそれぞれ2本のインプラントを埋入し、近心部に延長ポンテックを入れたケースです
補綴時期は少しずれがありますが、両側とも約10年経過しています。
右側は顕著ではありませんがコンタクトポイントが目視で0.5mm空いています、どちらが(インプラント全体or天然歯全体)動いたのか右側では断定できません。


しかし、左側では明らかにインプラント体が動いてるように感じます、近心のコンタクトポイントの形態がこの様に作る事はありません。
したがって、インプラント体および上部構造全体が経年的に頬側に振られたと思われます。
近心のコンタクトポイントも約0.3mm空いています。


今回は中切歯のみの補綴で最後方部までの印象がありませんから、断定はできませんが模型上の観察では左下4番のバーチカルストップはAコンタクトしかなく、右4番にはB・Cコンタクトがあります、近心部の延長ポンテックにも問題があるのかも。
また、右上にはデンチャーが装着されていて、この辺の違いも右側の動きが少なかったのではと思われます。


バイト材を確認すると右の後方部は抜けてませんが、左側はしっかりと咬んでいます。
インプラント体に問題が発生していないか、ドクターにレントゲンを依頼してみます。
この様な症例を見たことがある方や画像を見てご意見をお持ちの方是非とも、技術系Aに足跡を。
技術系Aは文字のみでも投稿可能です。
お取引先歯科医院のドクターから返信のメールをいただきました。

本日前歯の装着時に指摘の部位を確認しました。 2007.2.26
インプラント部の動揺や上部構造物の緩み等はなくポケットの深さも1〜2mmで安定しています
カルテをさかのぼって見ると平成14年にポケットの深さが一時6mmになったこと
がありました。そのときに問題の変位が起こったのかもしれません。
レントゲン所見では、装着後と比べて左側に於いてインプラント体のネック部分が吸収したような擂り鉢像が見られますが、現症では炎症はありません。
定期的に来院してくれているのですが体調の変化や清掃状態で状況が一変することもあり注意して観察していきます。


お忙しい中お返事いただき感謝いたします。



「Smile Design」講演会を受講して         2007.2.25

今日六本木に於いてインプラントメーカー白鵬主催の講演会に出席してきました。
Smile Design」 ”より早く、より痛くなく、より美しいスマイルを求めて・・・”
と言うテーマで3人の先生方の講演です。
Dr.Gerard.Chicheはルイジアナ州立大学のクラウン・ブリッジ科の教授で審美とインプラント補綴で有名な方だそうです、私は知りませんでした。
教授は 日本人の有名な技工士の方々とお仕事をされており、随所にこの症例はだれそれが作ったケースですと紹介していました。
白鵬主催であればてっきりインプラントがメインと思っていた私が無知なのか、前歯部における
Esthetic syatemについての講演で審美領域のお話がメインでした。
アメリカと日本の患者さんの意識の違いに驚きもあり、前歯部の審美回復には主にラミネートベニアを多く採用されていました。 
術後 がとてもすばらしい症例ばかりで、両者の技術の高さと緻密なコミュニケーションは海を隔てていても成しえる技と痛感させられました。



後のお二人で2時間足らずの講演、とても寂しい気持ちになったのは私だけでしょうか・・・
林先生の講演は、いつもながら天才的な臨床で聴衆者を圧倒しておりました。
時間が少なくてとても残念。
臨床家らしく御自身の多くの体験からでてくるアドバイスは明日からの臨床に変化をもたらしてくれるでしょう。
詳細は講演会に出席を、キーワードのみ列記しておきます。
低位・舌側・垂直埋入
吸収を見込んで埋入
3壁性骨欠損
micro gap →macro gap
GBRへの?
補綴主導から患者主導へ

またイミディエイトインプラントロジ−と言う書籍が共著で出版されています。
出版社を聞き逃しました、ご存知の方教えてください。

ご回答ありがとうございます。 2007.2.26
昨日の講演会で紹介されていた書籍の出版会社は(
ゼニス出版です。
インプラントジャーナルで発表したケースや、新しいケースなどが載っているそうです。
(by メディカル テクニカル サポート 福崎)



その前にQDT1月・2月2007.2.17記事も理解しておきましょう。
桜井先生は昨年10月・11月と受講しており今回はアトランティスアバットメントを海外に発注し
上部構造はZeno Tecシステムによるジルコニアフルマウスのケース紹介が主でした。
終了後の質問コーナーで下記2007.2.21記事の件を質問してみました。
桜井さんもご存知でメーカーに対応を求めてるが改善されていませんとのこと、隙間の理由は判からないそうですが一度プラスチックを外し接合部を削合してから再度挿入しワックスアップへと進むそうです、因みに優ビル歯科(林先生の診療所)にお勤めになっていた技工士さんは細い短針でワックスを流すそうです。
今回の講演で多くの有名な技工士が出席されていました、お聞きするとペルーラグループの方々で青島仁先生とお仕事されてるDr.Gerard.Chicheの臨床を一度見てみたいとの動機からだそうです。
2週連続でお会いしました高橋さん、モニター選択でお世話になった富田佳照さん、元優ビル歯科の福崎さん、雑誌でよく見かける渡辺一史さん、次の機会にはゆっくりとお話を・・・

私の独断でトピックスとして取り上げていますが、ご一緒に受講された方々へ
違う視点からのコメントをいただければ幸いです。





12年経たコーヌスデンチャーの現状       2007.2.24

先日1月21日秋葉原にて日立メディコ主催のX線CT講演会で久しぶりにお会いした先生から
下記 のメールをいただきました。


上志津中央歯科 秤屋先生から のメール
12年前のセットから欠かさずリコールで来院されている患者さんの様子を送ります。
このケースは、私と患者さんにとって、大変うまくいっているケースの一つです。
とても義歯を気に入ってくれていて、愛情を持って取り扱ってくれている様子です。
上顎は無歯顎になってしまいましたが、フレームは健在です。
下顎も一部マグフィット(常套手段)になっていますがとても安定しています。
今回、また一本破折してしまいましたが、(原因はコアの長さ不足です)マグフィット
のキーパーを入れておこうと思います。維持は十分なので今後のための保険です。


私からの返信
1994.12に上顎3本下顎4本支台のコーヌスデンチャーを作製し、
2000年に上顎がフルデンチャーに移行した記録がありました。
12年間で数本の喪失と口腔内の悪条件にさらされた形跡が画像からも推察されます。
内冠の様子は判りませんが歯肉も良い状態で維持されてるようで
先生と患者さんの信頼関係が伺われます。

欠損補綴において Eichner's B-2 (咬合支持域が2箇所あるもの)まで進んだ
症例では破壊の進行は止めることができません、下り坂を緩めて転がる速度を
遅くすることが我々の使命と最近は考えています。
今後もリコール時の情報をいただければ、破壊の進行度に一定の法則を
見つけることができ、他の患者さんにフィードバックすることが予知性を高める秘訣かと
思います。
ご面倒と思いますが、今後とも多くの情報を提供していただければ嬉しく思います


以上




”インプラント上部構造のサブジンジバルカントゥア”を読んで    2007.2.17
QDT1月号および2月号に掲載された論文”インプラント上部構造のサブジンジバルカントゥア”の論文について感想を述べさせていただきます。
日ごろインプラントを診療に取り入れている歯科医師や友人の技工士に粘膜貫通部を作るときは、どの様な情報を必要とするのか?
また、長期的に安定を求めるためには何を基準に作ればよいのか?
など毎日の作業で疑問に思ったことを質問しても明確な答えが返ってくることがありませんでした。
インプラント技工においては技工士の役割が今まで以上に重要になってきている理由は、神様がお作りになった生体を蘇らせるようとする自然の摂理に逆らう片棒を担いでいるためだと思います。
歯牙の萌出と顎骨の発育がどの様に関係しているかは、私には判りませんが歯牙の萌出する方向に骨が付いていくようにも感じています、
勿論そこには咀嚼する刺激や他の要因もあるとは思われますが…
年齢を重ねるにしたがって失う歯牙および吸収した顎骨に人工歯根を埋め込み人工歯冠まで作ることには、生体に対する多くの矛盾する因子があります、また明らかにインプラントとその周囲組織の関係は循環血液量や繊維の走行に違いがあり不安定で、骨の吸収や歯肉の退縮が起こりやすいことは周知の事実です。
しかし決して私はインプラントを否定しているのではありません、残存する歯牙を保存する第一選択肢はインプラントしかありえないと自分自身の口腔で体験しています。
今のインプラント補綴は矛盾する点を炙(あぶり)り出して解決する糸口を模索しているのが現状と思われます。


インプラントは位置・方向・深度が理想通りに埋入できることが少なく、まして前歯においては不可能としか思えません。
審美と咬合を考慮すると 粘膜貫通部付近で変化させるしかなく、周囲組織との関係V:Hは与えるフォームで予後を大きく左右すると言われています。

表題の日高先生・技工士の高橋先生の論文は難易度の高い症例を提示して、その矛盾を解きほぐす重要なヒントが掲載されています。
また、論文を読ませていただくと随所に数値がでてきます、生体を数値化することはタブーと思われますがいろんなことを推し量る目安としては必要です、それにあえて挑戦するように記載されています。
長期的に注意深く経過観察された賜物で、そこには技工士側の努力も忘れてはなりません。
具体的に数値化することは誰でも具現化できると言うことで、これからのインプラント技工に明確な指針を与えていただいたと感謝しています。
私自身ポーセレンの色調や形態は若い方々の感性に及びもつきませんが、SGC の数値化はとても嬉しく今後のインプラント技工の参考にすべく何度も読み返しています。
皆様も繰り返しお読みください、読むたびに得るものがありますよ。





BGN咬合器について2007.2.18

本日(2月18日)” 咬合器の選択基準”と言う題で練馬区開業の永田和弘先生を
お招きして フュージョン・デザイン・アート(所沢)で講演会 がありました。
咬合理論の変遷から始まり、演者が開発された咬合器(BGN咬合器)の紹介・使い方まで、約5時間ほどの熱い講演でした。


既存の咬合器にない調整部分もあり数カ国の特許も取得されていて、 随所に氏のアイデアが多く盛り込まれ、如何に咬合面形態に影響を与えるか症例があれば是非使ってみたい咬合器でした。


受講者は13名、アットホームな雰囲気で開演し若い皆さんと一諸に受講いたしました。
13名はラボテックスクールの同窓生が多く私の知っている方はWill Geller氏のラボに3年間勤務していた 内海賢二氏と、開催に尽力された間中政人氏で彼のラボで行われました。


このホームページを介して数度メールのやり取りをした表題の高橋 健氏も出席され、初対面でしたが講演会や雑誌等でお目にかかっており違和感もなく2次会までの短い時間でしたが当ラボ訪問と相成ました。
10分程度でしたが内容の濃い時間を過ごし、 ホームページの評価や論文の内輪話までお聞きすることができました。
感謝

後日のメール”これからも意味のあるタブーへの挑戦を目指してがんばります。 ”とのこと
by
Smile Exchange
        Ken Takahashi / 高橋 健




インプラントメンテナンス用チップ2007.2.10


先日上記症例で二次オペ終了後、即時にボーンアンカードタイプのプロビを作るお手伝いのため
クリニックに出張してきました。
口腔内でゴールドシリンダーを直接レジン止めするため、残存してる後方臼歯4本にウイングを伸ばし固定源としました。撮影しながらの操作で二次オペからプロビネジ止めまで4時間かかりました、印象・咬合採得のステップを省く以上に時間がかかったように思います。
このケースは後ほどアップできればと思っております、2ヵ月ほど様子を観てから最終補綴に移る予定です。


作業しながら衛生士さんとお話することができました、彼女は10日が誕生日とのこと
Happy birthday to you
ところで、表題のメンテナンスチップについて特徴と使用方法の説明を受けました
彼女はこのメーカー(Hu-Friedy)のイベントなどでデモンストレーターとして活躍されています。
材質はレジンでインプラントやアバットメントに付着したプラークなどの付着物の除去に使うもので、インプラント表面や補綴物に傷が付きにくいそうです。


3種類のチップとプラスチックプローブは、ハンドグリップにねじ込んで使用しディスポーサブルがお奨めだそうです、プローブ先端部は粘膜を傷つけないように小さな球状になっています。
ガム模型で試してみたところです。


左のチップは前歯、近遠心面(シックルタイプ)?
右のチップは隣接歯間面(シックルタイプ)?


臼歯部用(キュレットタイプ)?
材質はレジンでできているそうでシャープニングはできません。
メタルクラウンに試したところタッチが柔らかく擦れる感じがクラウン表面に残りますが傷が付くことはありませんでした。

衛生士さん曰く、この器具を使っても縁下1mm位しか入れられないと言っていました、出血や炎症が見られるとき以外はプローブ、スケーラーを深く入れないそうです。
その先の組織・雰囲気はどのようになってるのでしょうか?


○○歯科のhygienist○野○さんに感謝、親子ほど年齢差がある私にメンテナンスの講義をしていただきました。
なお上記器具は撮影のためお借りしてきたものです。

患者さんが羨ましい、私自身のインプラントで実体験できないかお願いしてみようかな、
サイトから・・・
(^^♪
今日から3日間ボード三昧とのこと、見てなかな〜





私を支える5つの光学系Goods2007.2.7
その1 アイルーペ

本来は時計職人さんがアイホールに挟んで使うものらしいのですが、逆向きに使っています。
マウント時バイト材との隙間を確認するときに被写体に近づいて見ることができ
重宝しています。角度や方向に束縛されず使用することができます。

その2 

両手が使えてワックスアップ・適合・メタル調整を行なうメイン机(汚れがちな)に常備。
上下および角度を簡単に調整でき作業の70%はこれを使います。
倍率が最適の3X位で目は疲れ難いようです。

その3

これは倍率は2×位ですが、硬質レジンの歯頚部の盛り上げや内面にまわったポーセレンパウダーを
払い落とす際に覗いております。

その4

10倍C型単眼鏡で焦点距離163mm、○○装置の照準を合わせることができます。
163mm先で0.1mmX-Y軸を移動させるときに使います。


その5

乱雑になりがちな作業机で邪魔にならないようにフリーに動かせるように伸縮自在の
アームです。
長時間の使用でも熱を持たないようにLEDのリングライトです。

         
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