きょうの臨床                           
 
2年半で無残な姿に・・・・               2011.7.28
 

修理で戻ってきたケースに見覚えがありデータベースで調べてみると、2009年11月にも大幅な修理の履歴がありました。
その時の画像と見比べると破壊された部位と状況が、似通っています。
また、現時点までに右下4番が抜歯されており、以前にも増して悪い欠損形態に移行しています。


当時は“すれ違い症例”に耐ええるような構造は難しいとも感じつつも、修理には多少自信がありました。
それが2年余りで打ち砕かれてしまいました、巨大な咬合力の前では、どんな構造設計でも、何処かに破綻を来たすことは当然ではありますが・・・。


また、上の画像でも判るように、右上3番の人工歯のファセットが不思議な減り方をしており、全く下顎運動が想像つきません。患者さんに下顎デンチャーのみ外して就寝しているのか尋ねてみると、上下外して寝ているそうです。???

但し、この状況でありながら残存歯の骨植にも問題なく、人工歯の問題以外は患者さんは不満も感じていませんでした。
そこで、前方の人工歯の破折さえ抑えられれば、何とか持ちこたえてくれるのではないかと期待して、画像のように個歯毎に補強線をレーザーにて補強してみました。


この対処法では人工歯の磨耗を遅らせることはできないですし、この補強によって他の部位に破綻が移らないか心配です。


今回は前方の7本の人工歯と、その部分の床だけ修理しました。
今後も同じような症例であれば、人工歯の補強を考慮しておくべきと記憶に刻んでおきます。


完成です。
前回、欠損状況や咬合についてとても条件が悪いことは患者さんに十分説明しておきましたので、多少のトラブルは何ら問題はありませんでした。


 
      
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