1995年12月に上顎コーヌスデンチャー・下顎保険のデンチャー装着、当時は左下4番が残存しており、宮地の咬合三角で表現すると1/13と、すれ違い寸前のケースだった。
2002年4月、上顎の人工歯磨耗のため義歯床部と人工歯交換を行った。
ケルバーでは禁忌症に入るような症例で、他に良い修復方法が見つからなければ適応症と思われます、結果13年間で下顎1本の抜歯で済んだのは・・・
できたらオルソで支持組織を見比べてみたいと考えています。
そして本日、人工歯の磨耗が激しく交換を希望され、再度リメークで当方に戻ってきた。
2002年当時の記録がなく、 下顎4番の抜歯とパーシャルデンチャーの再製が、いつ頃行われたかドクターにはお聞きしていない。
当然下顎4番が喪失してからは、 すれ違い咬合になっており下顎臼歯部人工歯の咬耗が進むにつれ、前方へのベクトルが働き、前歯部の義歯床の破損や後方のメタルプレートの浮き上がり現象として現れている。
その証が外冠内面に如実に現れていた、小臼歯部外冠頂上には近心側のみに内冠が接触して擦れた痕跡が認められ、義歯が前方に揺らされていたようである。また大臼歯外冠は浮き上がっていたと思われ、内冠が接触した雰囲気も見当たらないし、プラークが付着していて汚れていた。
下顎の運動路・ 咬合関係・材料の磨耗・リジッドデンチャー等考えを巡らすと、上記の現象は
”当然 ”であって、決して
”偶然”ではない筈である。
左右側方観
しかし、上下前歯部の緊密な咬合関係に不審な痕跡が見受けられた。
下顎前歯部に現れている、ファセットと言っていいのか、あるいは咬耗して凹んだ象牙質を何と表現すればいいのか判りませんが、その切縁の形態がそのまま圧痕として人工歯部に写し取られているではないですか。
”偶然?”
撮影してもストロボで立体感が表現できなく、咬合紙でマーキングしてみました。赤いアイランド部分に凹んだ象牙質が入り込みます。
臼歯部に現れるなら少しは理解できるが、切歯にあるということはグラインディングしていないとしか考えられません。いや違います、中心咬合位から前側方にファセットがありますから運動はしているようです。
中心咬合位 で何らかの習癖があるのではと、私は考えます。
どなたか、疑問を解きほぐして・・・