きょうの臨床                           
 
邪道? 安易!                 2009.11.09
 
随分前に総義歯製作時に、重合後レジンの収縮で義歯後縁が模型上から僅かに浮き上がり、その量だけ咬合が高くなるという案件で、その解決策をお知らせしていませんでした。
今回、新規の症例でその解決策を紹介したいと思いますが、あくまで独断で理論的な裏づけは全くありません。どちらかと言うと”邪道”だと指摘されるのを覚悟で、ここで紹介します。
その前に「以前の症例」を読んで頂ければありがたいです。


今回のケースは、下顎歯槽骨の吸収が激しく仮義歯で試行錯誤し、患者さんに納得してもららってから印象へと進みました。上下とも仮義歯で印象し、その義歯の咬合位でマウントしました。
但し、確認のためGOA(ゴシックアーチ)でトレースして、中心咬合位の確認をいたしました。


排列・重合を通法とおり進めて咬合器にリマウントした後に、ハガキを切ってコンダイルのハウジングに挿入して咬合調整へと作業を進めました。この厚みは重合収縮で浮き上がった量の倍数と適当に自分で決めています。なお口蓋の深さと重合収縮が正比例しますから、深いときは厚い紙を入れるようにしています。


選択削合終了。
あそうそう、上顎プレート全体にレジンが薄く覆っているのは、上下フラスコを合わせるときに薄いシリコンをプレート上に置いて、プレートを模型に圧接しているためです。


自動削合のペーストは2種類使っています、右のは自作の50ミクロンのアルミナをグリセリンで溶いたものです。


左は松風のペーストで”中粒”、最終調整時に使ってます。


自動削合終了後の左右・前方運動時のマーク、選択削合時と比べていただければ均一な運動を獲得できる自動削合の重要性がお判りいただけるのでは。
画像になってから判ったことですが、ハガキ1.5枚程度が適正だったと反省しています。
この結果は未だ出ていません。


紫(黒く見える)のマークは中心咬合位 。


ディナーマークUでは後方運動の削合ができないので、下顎紫マークの前方部に急斜面を作らないように気を付けています、これは”安易”


結果が入り次第お知らせいたします。
つっこみ大歓迎。


 
      
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