きょうの臨床                           
 
姑息な補強?                    2011.6.17
 

今週最後の症例です。
荷物が到着し開封したときは、フルブリッジかと寒気を感じましたが、指示書には左上23の間は連結しないとしてあり、2ピースのブリッジで少し安堵しました。 


しかし、よく見ると有髄(無髄歯は2本かな)が多そうで、支台歯同士の平行が良くありません。
さらに、クリアランスも少ないです。


前ロー着、陶材築盛と進み、何とかここまで来ました。
最終の後ロウ着寸前で、数箇所の連結部の脆弱さが気になり、後ロウ着と同時に、その部分も補強することにしました。
まず、メタル部分を研磨後、レジンにて固定します。
当方もよくやるのですが、ロウ着時の連結を安易に咬合面だけ固定し、ピックアップして作業を進めることが・・・

特に、このような平行性の悪い支台歯では、咬合面のレジンだけでは、ピックアップ時にレジンが撓みながら抜けくることに気付かないことがあります。

この症例も、そうでした。
当初、咬合面だけ固定しピックアップしてみると、何とか抜き出すことができました。
しかし、不安だったので舌側も固定してみると、先ほどの抜け具合とは全く違っていました。


頬側も固定すれば良いのですが、グレーズしたセラミックには、レジンでの連結は用をなさないため、実施しませんでした。


特に側方、前方の剪断力に対して脆弱な部分(2箇所)を、補強することにしました。


もう少し綺麗に流れてくれれば良かったのに、ダマっぽくなってしまいました。


メタルやセラミックでのトライなしで、一発完成です。
とても恐くて立会いなどは出来ません。

アドバイスやご意見がありましたら、“超ぷち”へ
 
   
“拡大画像をみせろーー” の要望にイヤイヤながら・・        2011.6.19  
    
2枚だけでお許しを<m(__)m>

PostScript
装着後、ドクターから連絡がありました。
右上犬歯舌面に前方運動時に傾斜の強い部分があり、そこを削ったそうです。
さらに 、左上犬歯の側方ガイドも少し弱めたと連絡がありました。
もし、口腔内装着画像が届いたなら、アップいたします。
 
      
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