きょうの臨床
 
いまいちスッキリしない                2010.11.24
 

この症例のステップ画像はありません。


但し、排列試適の状態や 前歯の咬合関係を記録した画像だけが残っていました。


” いまいちスッキリ”しないのは。
この症例ではないのですが、フラスコから義歯を掘り出してみると、
粘膜面にヒビが入っていることが多いのです。
以前はフジロックを使っておりましたが湯流しする時”ピシッ”とヒビ割れることがあり、熱に弱いのだと推測して、使うことを控えるようにしてきました。

その代用でLow Expansionの硬石膏を使うようになったのですが、それが上の画像です。
この石膏は熱に強い石膏という謳い文句で販売されているDSシステムの
”ニューラシオストーン”なのです。

それでも左画像のように粘膜面側の硬石膏(ニューラシオストーン)にヒビが発生してしまいました。
右画像は義歯研磨面にコーティングした超硬石膏にヒビが発生しました。

そこでイボクラールに問い合わせてみたところ、やはり他のユーザーからヒビが入るとのクレームがあるそうです。

考えられる原因は4つだと教わりました。

@上顎に発生することが多く、石膏の厚さを1cm以下にしないこと
では下顎に発生しないのは何故なのか?

A模型基底部とフラスコの下面を平行にすること
実行していないかも

B脱蝋した後にすぐに水で冷やさないこと
水で冷やさなくてもヒビが入る

Cプレスの圧を適正にすること
少し高くしていた

以上です。

しかし、どーもそれだけではないように感じます。
イボカップシステムのフラスコはプレスする部分がテフロン製になっており、加圧による変形が、もろに模型基底面に掛かるために起こるように思えてならないのです。

今後、対策を考えてみます。


完成しましたが、”スッキリ”しません。


装着当日は、前歯唇側アンダーカット部を少し短く調整されました。

装着10日後の経過報告がありました。
左上床内面1箇所調整したそうです、他は何処も触っていないそうです。

あーそうそう
右上3番近心部が不自然でしょう。
イボカップ重合では前歯床部分の重合収縮で、隣接部の硬質レジンを引き剥がすほどの収縮を起こし、縦にクラックが発生しているのです。
そのためナノコートで修復しているのですが、下手なのです。

 
 
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