きょうの臨床 |
16年ぶりの再会 2009.9.14 |
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先日16年前に製作したコーヌスデンチャーが、リメイクで戻ってきた。 口腔内画像や実際のデンチャーを見ると、強いファセットが現れている左下4番、破折や擦り減った人工歯、ビーズまで露出したHR、などが見受けられる。 そのため、咬合位は年数を経ただけの変化は当然現れているであろう。 これまでの治療歴は1990年上顎にパーシャルデンチャー装着(他ラボ) 1993年4月下顎にコーヌスデンチャー装着 2000年1月に左脚部破折で修理 2009年8月左下4の支台歯破折でダウエルコアーを再製 2009年9月義歯リメイクでデンチャーと9年ぶりの再会 治療歴と上下の欠損様式に因果関係があるように感じます。 つまり、脚の破折や支台歯の破折は、バーチカルストップを一手に引き受けている左下4番に現れています。つまり16年の歳月で人工歯咬合面が擦り減ったため、益々4番に負担が増したであろう。 これを防止する策は、遊離端部にインプラントを埋入するしかないのだろうか? 今後修理・完成まで掲載する予定です。 |
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「二度目の再会」に対してメールが・・・ 2009.9.17 |
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Atomさんから下記のようなメールを頂きました。 9.15 ▼ 最新記事の「二度目の再会」のケースでラボに義歯をお預かりしている間、仮義歯は入れているのでしょうか? 以前勤務していた歯科医院ではコーヌスやアタッチメントが多く、仮義歯を製作しないで朝一(10時)に来院、夕方(5時〜7時)にリメイク完成でしたので・・・ 画像のようにオーソシット?右下6番のように裏からの削り込むと、近遠心に割れることも多かった、 また硬質レジン歯・咬合面ハイブリだと歳月とともにアンチモンソンになってくるので、レジン床の上顎総義歯では正中から割れることもあった。 さらに、メタルバッキングの外冠は光重合より、加熱重合(大信貿易のK+BイソシットN・クロマシットなど)の前装レジンの方が10年以上経っても非常に安定しているように感じるがいかがですか? この症例に限らず立ち会う事が多い大山さんなので事前に3者で検討、仮義歯製作による咬合採得・試適なども行っているのでしょうか? ▲ 以上のような質問と”つぶやき”のようなメールを頂きました。 これに対しての答えになるか判りませんが、努力して見ます。 まず本義歯を装着して間もないときはプロビのデンチャーがあるため、それを使います。ただし、7〜8年経った場合は新規に作るようにしているみたいです。 口腔内の変化 このように機能咬頭が磨耗して、経年的にアンチモンソンになってしまうのは仕方ないことだと考えています。但し、パーシャルの場合は臼歯部に不要な外力が加わらないように注意すべきでしょう。 また、例え硬質レジン歯でも薄くなれば簡単に破折してしまいます。リメイク時はメタルにする予定です。 右76 左567は咬合していませんでした。また2000年に破折した脚部の補修跡にも再会しました。 シェードガイドを写しこんで撮影してもらえなかったが、A3.5くらいで完成する予定です。既存の色はA4くらいでした、経年的に変色したのか或は装着した当時からか判りません。 確かにAtomさんが言われるように加熱重合レジンはプラークが付着しにくく、安定感がありました。 しかし、一旦義歯床を重合したあとは、追加や修理ができなく随分困ったこともありました。 コーヌスデンチャーは取り外して洗えるため、当方が採用しているエプリコードで今の所満足しています。 さて、上顎のパラタルバー内面と粘膜との間に不思議な空隙があります。 左側は適合しているのに、中央部や右側が適合していません。 下方に治療歴を掲載してありますが、その時系列から人工歯の磨耗具合と空隙に因果関係があるように思われますが、今のところ断定できません。 どなたか推理して教えていただけますか。 最後の質問については、事前に方針や設計を相談してくる先生や相談もなしでいきなり模型が送られてくることもあります。 そのようなケースは往々にして問題箇所が多いものです。 また、気になるケースは試適や装着時に押しかけて行き、直接患者さんとお話するようにしています。 修理・完成は次回に。 |
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16年前のコーヌスデンチャーリメイク終了 2009.9.23 |
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シェードガイドはA3.5です、少し明るく仕上がりました。 メタルプレートの維持部の形態が悪く、咬合接触していなかった左側が今回のリメイクで接触するようになりトラブルの可能性が高まりそう。 アトムさんご指摘のように上顎人工歯が咬耗でアンチモンソンになっているため、右下6番の舌側咬頭が高くなってしまいました。 リメイクしたのは、レジン関連とメタルオクルザルの追加のみです。 完成 |
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