きょうの臨床 |
レジン焼却実験
2008.6.26 |
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インプラント上部構造やコーヌスに使用されるパターン採得用レジンについて、以前から疑念を抱いておりましたが、今回時間を割くことができましたのでレジン焼却実験をしてみました。 手持ちのレジンは6種類あり使用目的が違うものもありますが、同時に実験できるので並べて行いました。(以前茶々丸さんもBBSで画像をアップロードされていましたが。) パターン採得用のレジン パターンレジン ピクプラスト パラビット 歯冠及び床用レジン プロビナイス ユニファースト(Pink) キュアファースト(Pink) レジンの盛り方が悪く厚さが不均一になっており、また均一に昇温できない機器でしたから参考程度に見てください。 特に膨張し始める温度や膨張具合は製品によって大きな違いがありました。また焼却を前提に開発されている訳ではない製品は、焼却残渣が当然残りました。 注意 記載温度はファーネスの表示温度で、レジンの温度と正確に一致しているかは断定できません。 室温 100℃ 200℃ パターンレジンは200℃から膨張 250℃(ホワイトバランスの設定が・・・) 2製品の膨張が顕著 300℃ 300℃付近での係留の必要性を実感、しかしピクプラスト(小田中さん推薦)の変化が少ないのが驚き。 350℃ ここでパラビットが捲くって来た、このあたりでは埋没材を破壊するほどのパワーがないように感じる。 400℃ このあたりでは普通に上昇しても差し支えないように思えるが、ファーネスの温度計と埋没材の中心の温度差を考えると、中心部が350℃〜400℃付近は注意すべきである。 450℃ 500℃ 550℃ 600℃ 700℃ 焼却 終了 エバンスで表面を削ってみたところ、パターンレジンと右3製品に焼却残渣がありました。 ピクプラストとパラビットには痕跡はありますが、残渣はありませんでした。 以上簡単な実験ですが参考になれば幸いです。 次回はファーネスの温度とリング内部の温度差を検証できないか、チャレンジしてみます。 (方法論が見つかりませんが・・・) |
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ファーネスの温度とリング内部の温度差を検証
2008.6.26 |
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ファーネスの表示温度とリング内部の温度差は、下記記事と直接関連するようで自宅にある機器で簡単な実験をしてみました。この程度の実験は、情報誌でも既に発表されていると思われますが、それを捜し出す術がないので実体験を兼ねて実行しました。 使用機器 デジタル温度計(日置電気) 表面形温度プローブ -50℃〜400℃ 電気炉(3面ヒーター) 直径32mmリング 埋没材はリン酸塩系(G−C イノベスト) 測定方法 表面形温度プローブを埋没材に差し込んだまま電気炉に入れれば、簡単に測定できるのですが、そうはいきません。 そこで底を平らにした2個のリングを縦に積んで、測定時に電気炉から取り出して接触している側の表面温度を測定しました。 リングを入れて300℃までの上昇時間は約10分でした。 結果 ファーネス温度 経過時間 リング表面温度 300℃ 10min 80℃ 300℃ 20min 100℃ 300℃ 30min 120℃ 300℃ 50min 163℃ 300℃ 90min 175℃ 300℃ 110min 180℃ 温度上昇が鈍ってきたのでファーネスの温度を上げました 350℃ 20min 210℃ 350℃ 40min 215℃ 再度設定を上げました 400℃ 20min 240℃ 400℃ 40min 250℃ 300℃に到達してから合計190minの係留でも、250℃までしか埋没材の温度が上昇しませんでした。 ちなみに 、 鋳造温度に達しても係留する必要性は、これらの結果からでも納得させられます。 これを、どのように解釈するか、そして各社パターン採得用レジンの膨張とファーネスの係留をリンクさせるか、皆さんの自己責任で臨床に応用していただければ幸いです。 |
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kojiさん(岩手)に感謝 2008.7.3 |
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”Kulzer Palavit G”が今年初旬で発売中止になっておりました。 そこで”超ぷち”で在庫している方に呼びかけたところkojiさん(岩手)から譲ってもよいと連絡があり、本日当方に到着しました。粉・液とも半分以上残っており、硬化することも確認いたしました。 今後販売される予定もなく、ご自身も手元に残しておきたいのが人情なのに無料で譲っていただきました、kojiさんのご好意に感謝いたします。 このレジンが無くなるまでは引退できません。 |
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