仮着されたPFMを焼成すると出現する変化 2009.5 |
昨日友人から下記のような質問がありました。 ▼ 1年ほど前に仮着されたPFMがコンタクトの追加で手元に戻ってきました。 仮着したものを焼成するとかなりの頻度で黒くバブルのような現象が現れます、セラミック表層にマイクロクラックが発生して焼成によってバブル化するのか、或は他のメカニズムがあるのか悩んでいる。 その予防策・対応策はあるのかお聞きしたい。 ▲ たまたま当方の画像に同じ症状のものがありましたので掲載します。 他の部位に焦点を当てているため判りづらいかもしれませんが、左はロウ着前、右画像はロウ着後に白濁したものです。特にファセットやオクルザルコンタクト部位にしか発生しません。 もし発生メカニズムやその対応策をご存知の方はBBSの方に回答ををお願いいたします。 ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 以下は有識者の方々からいただいたアドバイスやコメントです。 貴重な情報を寄せていただき感謝いたします |
|
05/14(木) 22:04 kojiさん 長期間仮着のものはクラックやバブルありますね。咬合面のように調整されたところは特に、、。少し削合してからリパペアー陶材で低めで焼いて研磨でしょうか。高い温度は他のトラブルやバブル生むとおもいます。詳しくは蜃気楼さん、小田中さん、、 05/15(金) 00:34 おだなかさん 私はやり直し覚悟で、通常の温度で焼成してしまいます。それからは、結果を見て考えます。考えても何も出てこない(泣!) 05/15(金) 01:00 おだなかさん これは、咬合接触点と滑走面に現れてきます。それは口腔内で機能しているという事の証なのですが、困った現象です。大山さんの提示しているケースは、滑走面によく現れるタイプの面荒れです。これはブラキシズムの患者のケースですと、面荒れの深さが深く軽石状になります。気泡や、スポット的な深い軽石状の面や、黒ズミ等は咬合接触点の箇所に生じます。これだけならまだ何とかなりますが、破折という症状も出くわした事もあります。とにかくカリエスのように削り取り陶材を焼き付け修正を行います。 05/15(金) 01:22 おおやま kojiさんやおだなかさんのようなトップセラミストでも同じような症状になるのですね、安心しました。 そのメカニズムはマイクロクラックが焼成過程で何らかの変化を及ぼすと考えるべきなのですね。有難うございました。 05/15(金) 01:42 茶々丸さん こんばんは^^小田中さんのお書きの通りの場所に現れますね。極端な白化とポーラスな状態になりますね。陶材自体口腔内で脱灰を起こしそれが原因で焼いたあとにあの状態を示すらしいです。何故咬合や咬合調節してる部分に出るかというのは、調節後の仕上げに問題が有るのではないかと思われます。 粗面は何らかの溶解特性を助長させる事は容易に想像がつくと思われます。対処法は過去のさかのぼる事は出来ませんのでチェアサイドでのポリッシュの重要性などを伝える意外、現象を減らす手段はないと思われます。 あと黒ずみやマイクロクラックですが、意外にも長期に仮着しているものにはクラックが発生しているものがあ有ります。預かった仮着後の補綴物を目視で観察しても見えない物ですが。一度100度ほどで炉口を少し開けて焼いてみると、その状況がよく分かると思います。クラックに深く入り込んだステインが茶色になって見えてきます。 この現象はプラークを生焼きにする事になりますのであまりよろしいと思いません。ですので焼く前のトリートメントとしてキッチンハイターやL&R社のリムーバー液に浸け込みマイクロクラックに入ったプラークなどの洗浄後に、焼きの行程に移られる事が大事だと思います。洗浄後、100度のポーセレンファーネスの炉口開放で5分程空焼きし洗浄で取りきれなかったマイクロクラックに侵入したプラークを削り落とし除去後、アドオンという流れで作業しています。 05/15(金) 10:31 おおやま 同じ場面に出くわしたときのために、皆さんの考え方・テクニックを 「左content→技工ヒント→仮着されたPFMを焼成すると出現する変化(仮題)」 に保存するようにいたします。 お忙しい中お時間を割いていただき、ありがとうございました。 ところで、メーカーは把握しているのでしょうかネ。 05/15(金) 11:32 おだなかさん メーカーは把握してると思いますよ。 05/15(金) 15:29 おおやま 自分のテクニックに問題がないと判っただけで安心しました。 05/15(金) 15:39 おだなかさん 臼歯部においては、グレーズ温度を高くしてます。テカテカするぐらい。 05/15(金) 17:38 茶々丸さん 上に書いた製品ですが、L&R社/サイブロンデンタル扱い。タータルライトステイン&パーマネントセメントリムーバーという長ったらしい名前の製品です。ポーセレンを長く漬け過ぎないようにと昔注意を受けた気がします。土壌に直接捨てられるものですので、ある程度扱いは楽だと思いますよ。 もし同じ様な現象に出合ったときのために、ここにあることを記憶しておいてください。 以上、ご協力いただきました皆様ありがとうございました。 |
|
Copy right by ooyama
|