きょうの臨床
あー スクリューが破折・・・
2009.11.17
極稀にスクリューが破折するという事態をドクターから聞くことがあります。
その先端部を取り除くツールがあることを先日始めて知りました、また保存してあった破折スクリューにも出会うこともできました。
ノーベルではアバットメントスクリューリムーバー、修復用タップ、スクリュー除去用ドリルの3種類が準備され、それぞれアバットメント内やインプラント内に残ったものを取り除くツールのようですが、使い分けがいまいち判りません。実際カスタマーセンターに問い合わせても的確な回答が得られませんでした。
それらのツールでの効力は当方では判りませんが、いざというときの為に脳の片隅に記憶しておいてください。
このツールは当方のものではないので現実に検証することはできませんでした。
製品のリトリーバブルドライバーは当方の所有物でないため、実際にテストすることができず、さらに開封すらできないツールでした。
そこで、左はハンドピースのバーを、右は直径1mmのドリルをそれぞれ改良してmodokiツールを作って模擬テストしてみました。
但し、問題がありました折れたスクリューが手元になく、木ネジをジィスクでカットして表面をバーで荒らしてテストに入りました。
ここでまた問題が、インプラント体に嵌合した状態を再現するにはネジを入れなければなりません、入れることが出来るツールがあるのなら、除去することもできるのです。
これぞ
”ニワトリが先はタマゴが先か”
難航しながらも右のドリルで引っかかりを探りながら、右画像のように奥まで入れることが出来ました 。但し、左のmodokiツールは使い物になりませんでした。
折れたネジ表面は通常”ささくれ”状態で、それに似せるため、まずタービンを使いネジ先端部にダイヤモンドバーで”ささくれ”を作りました。
インプラント体を傷を付けないで”ささくれ”状態にするのは大変難しい作業で、多少インプラント体が傷ついたように感じました。
まあー、例え傷ついてもノーベルには修復用タップがあるため問題ないでしょう。
空回りすることもありましたが、適当な”ささくれ”状態であれば何とか除去できるようです、保障はできません。
超音波スケーラーをあてて除去する話も聞きますが、メモリーしておいて損はない手法です。
追加 トルクがかかっているので除去できないのではと推測する方へ
スクリュー頭部が無くなったネジのみを想像してみてください。頭部が無くなると同時にトルクは消滅して、緩い状態のネジのみ存在することを・・・。
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