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                          GC友の会 学術講演会を受講して            2009.5.17  

去る5月17日 東京フォーラムにてGC友の会 学術講演会が開催されました。 演題は「補綴物を長期に維持するために」 副題 ” 咬合と力の問題をコントロールする”で3人の演者の長年の臨床例を基に、定員800名のところ1000名以上の受講者が集い熱気あふれた
講演会場でした。多分定員オーバーになったためテーブルも排除され、メモ台付きチェアーに変更されたようで、メタボの私にはとても窮屈な会場設定でした。 コーディネーターは千葉英史先生で永田省蔵先生・押見一先生・鈴木尚先生の順でそれぞれ90分の持ち時間を”テーマ”に沿ってご自身の臨床を提示しながら解説されていました。
講演の批評は到底できませんが、一つだけ以前より感じていたことが問題提起されていたことと、長期経過観察することの重要性を改めて感じたことは有意義な一日でした。
そこで今回はその一つだけに絞って解説することしします。

口腔疾患には崩壊の疾病傾向で 1)Caries Type 2) Perio Type と大きく二分されています。
その傾向によっては今後辿る経過が著しく違い、現状を回復するにもそれらを考慮しなければ全く視点の違う修復になってしまうのです。
今回はその分類に 3)Power Type を追加されている方がいらしゃいました、鈴木尚先生です。
Caries Type はご承知のようにウ蝕から崩壊が始まり、若年層に多く見られ歯冠から徐々に歯根へと崩壊が進んでいくものです。
一方 Perio Type は支持組織の崩壊が進み支持骨が無くなっていき、最後には支えられなくなり、歯牙の喪失にいたる疾病です。Perio Type の中でも分類され一方は歯周病菌が由来する疾病と、咬合性外傷から由来する疾病に分けられます。しかし互いに関連した関係で一方のみでは起こらないとされているのですが、私には信じられない論法の部分もありますが・・・。
詳しいことは聖書に譲るとして、第三の Power Type の出現です。
つまり、Perio Type では咬合関係があまり重視されなく、咬合由来なのに Perio Type という言葉に惑わされ、ブラキシズムなどに代表される力の問題が矮小化されているように感じていました。
したがって、Power Typeの出現は的を得たりと拍手しそうになりました。
一般的にX-reyで観察すると、支持骨が平均的に下がっているなら、Perio Type で歯周病菌が由来する疾病と診断され、極端に一部分のみが吸収しているならば根管由来か、或は咬合由来の疾病と診断されます。
つまり、平均的に支持骨が吸収されてきたなら歯周病菌や他の全身疾患を疑うべきで、一歯だけが動揺しているか数歯が抜歯に至るのであれば、咬合性外傷(力)から支持骨の喪失に至ったと断言してもよいわけです。 私の言いたいのは、Caries Type は別として、Perio Type は細菌及び他の全身疾患から由来するものとし、、Power Type を咬合由来(力)の疾病と分類したほうが、わかり易いと思います。但し鈴木先生はブラキシズムなどに代表される傾向を Power Type と分類されていたと私は解釈しています。
二大疾病傾向の中でも咬合による崩壊が「歯周病」という簡単なレッテルで片付けられている現状を憂い、「力=第三のType」は精神的なファクターも包含し、これから注目されていくのではないでしょうか。 最後に、口腔機能は咀嚼が当然行われる訳で、その圧を適宜分散しコントロールしなければ不正となり、その結果外傷となってしまいます。「力をコントロール」するには咬合位・顎運動・上下咬合関係は勿論、解剖・生体のメカニズムなどの知識も要求されるものです、天然歯でさえも限界を超えると、その力を排除しようとして組織を犠牲にしていくのです。まして人工の修復物は口腔内で異物として入り込むからには、それを残存歯と調和させるには並みの知識と努力では成就されないのではないでしょうか。
疾病の傾向に医原性という第四の項目が追加されないことを自身に言い聞かせ帰路につきました。

反論もございましょうが・・・軽く流してください。
 

 
                   ご存知だと思いますが、念のため・・・            2009.5.20
 

以前より完成補綴物は模型に装着して発送しておりましたが、インプラント技工が増すにつれ粘膜深く装着されるアバットメントの滅菌に疑問を感じておりました。
そこで最近インプラント技工物に関してラボサイドで滅菌し、発送することにシステムを変更することにいたしました。(尚、当方の滅菌処置は気休め程度で問い合わせしないで)
ドクターサイドには技工物の適合や品質を模型上で検品できないデメリットがあるのは承知しておりますが、そこは長年のお付き合いで信じていただくしかありません。
上画像はノーベルのゴールドアダプトアバットメントで、本体とスクリューが別々に梱包されております、普段は技工用スクリューで作業するために、右側のスクリューを開封することなく作業が終了し、そのまま発送しておりました。
したがって滅菌は完成カスタムアバットメントと上部構造のみ滅菌すればよいと考え、私はそのように実行しておりました。
しかし
がぁーーーーーーん



裏面の説明に”未滅菌”と記載してあるではないですか、開封しなければ滅菌されていると誤解していた愚かな私でした・・・
勿論、ゴールドシリンダーマルチユニットも”未滅菌”は言うまでもありません。
皆さんはご存知だったでしょうが。
 
 
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