きょうの臨床
 
2年越しのコーヌス完成                   2008.10.03
 

内冠の製作2006.11 装着は2008.9と2年越しでコーヌスの完成となりました。
その間、患者さんが交通事故で1年以上入院、私も事故に遭遇、そしてハードディスクの損傷で途中の画像が消滅と多くのトラブルを乗り越えて、ようやくここまでたどり着きました。
退院直後で下顎にプラークが蓄積されている。


上記4枚の画像は歯科医院で撮影されていたものを、戴きました。 感謝
下顎が綺麗にクリーニングされています。


滝沢先生のフォルテの講演を基に、TAKIZAWA Methodを真似てみました、上の画像のように両中切歯が有髄のため唇側に飛び出していて無理を承知でチャレンジしてみました。
築成は関してはとても楽ではありましたが、そのMethodの効果は・・・


切端にボリュウムがあるために、透明感が出なかったようです。
下顎切縁が咬み込む上顎前歯舌側には棚を設けたつもりだが、期待通りには接触しなかった。


リマウントで前歯臼歯を平均的に接触させても、重合収縮やテクニカルミスなどで実際の口腔内と一致させることはできない。


完成


装着。 ロウ着での狂いが現れているようで、少し浮き気味で緩く感じます。
このようなアイヒナーB-4 (咬合支持域がなく前歯部のみで接触している歯列 )のケースでは前歯及び臼歯が同時に咬合接触させることが重要です。もし前歯のみの接触であれば、臼歯人工歯のかさ上げが必要になるし、臼歯のみが先に接触したなら前歯が浮き上がってしまいコーヌス効果が発揮する以前で脱離してしまいます。
 
装着から4週間後                    2008.10.24
 

1 1が有髄歯で苦労した下方のコーヌスデンチャーです。
装着から4週間後、フィットや維持力に関しての問題はないようです、患者さんには非常に満足していただきました。


術前に使用していた義歯です、この咬耗では前歯部に側方の外傷を与えていた様子が想像できます。
今回の義歯人工歯でバーチカルストップを保ってくれる期間はどのくらいでしょうか?
さりとて金属歯に置き換える勇気がありません。
 
 
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