きょうの臨床                     2008.2.4
 
コーヌスデンチャーリメイク
 

昨日立会いに行った歯科医院に、たまたま9年前に装着したコーヌスデンチャーの患者さんがフェーシング部破折で来院されました。
リコールには確実に応じていただける方で、衛生士さんとフランクに話し合える関係が確立されているがゆえ、少々のトラブルも笑顔で会話されていました。


破折状況からアドヒシブがドロドロになって乾燥が遅くなったか、或いは乾く前にリテンションビーズを振りかけたかが原因で、ビーズのアンダーカットが塞がれ機能を失っています。
(オペーク層が残存してないことから断定できる)
また、色調が暗くなるのを防ぐためアルミナサンド処理をしないことも一つの要因として挙げられるでしょう。
反省


9年間細菌と湿度、咬合力にさらされたとは思えないくらい綺麗でした、今後共レジンマティリアルに問題が発生しそうな箇所は見受けられないのですが、患者さんの要望でフェーシング修理時にメタル以外すべてやり替えることになりました。


1年前のオルソでは左右55の歯根膜腔拡大が見受けられ、咬合によるダメージを受けてると感じつつ、9年まえのオルソと比較してみると当時も同じような症状があり、不安承知で支台歯に取り込んだと想像しました。
メンテナンスも充分実行されてるようでX-ray上では多少良くなっているようの思われました。
尚、当該歯は歯根も短く付着歯肉も少ない割には動揺も無く安定していますが、無髄歯と欠損側に隣接してるため今後も不安は付きまといます。
今回 粘膜部及び咬合のチェックはしていませんが、リベースが行われた様子も無く患者さん自身とても満足されていました。
細部詳細についてはオーバーホール時に精査して報告いたします。
 

修理のため短い時間ではあるが、仮義歯作成。


9年間の歴史を刻んで、手元に帰ってまいりました。
作成時の記憶は残っていませんが、当時のオルソや使用材料の記録はありますから時間をさかのぼって調査してみます。
王家(多く)の謎が解き明かされるかも。
 

完成!!!ではありません。
劣化の度合いを検証すべき機器を持ち合わせていないので、前装レジン 、人工歯、レジン床をとりあえず研磨してみました、。
1箇所65の間に入り込んでいる床用レジンが白く脱色していた程度で、他に劣化を感じるマテリアルはありませんでした。


また、プレート粘膜面と床用レジンのフニッシュ部分もプラークの侵入が少なく、画像では判別できないくらい少量の汚れでした。
模型作成後、床内面のシリコンの厚さを測ってみたところ、厚い部分0.89mm薄い部分0.13mm平均0.21mm位でした。
つまり、9年間の顎堤粘膜部の変化(吸収)量と捉えていいのか判りませんが、驚くほど微量と感じました。    2008.1.31
 

2枚でこの症例は終了します、いずれお見せできるよう努力致します。陳謝
 
 
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