きょうの臨床                     2007.11.20
 
コーヌス完成
 

へ〜〜〜少ないんですか。勉強しなきゃ!咬合は均一に与えるのでしょうか?残存歯優先で?咬合重心を4、5に持って来るとか?教えて下さい (茶々丸)

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茶々丸さんの質問に上手くお答えできるか自信はありませんが、私の考えてる事、経験から学んだ事で説明してみたいと思います。
この症例の口腔内画像や下記画像で残存歯のCEJから推測すると、内冠マージンの全周が大きく見えませんか?
内冠作成してるとき疑問を抱きながらも、ドクターに聞くでもなし作業を進めました。
CEJから4mmくらい根尖側にマージンがあるのに、くびれかたが少ないのです。
クラウンルートレシオから想像すると動揺が無い筈もなく、デンチャーの予後に不安を感じずにはおれませんでした。
ところが、内冠セット時に動揺度のチェックをしてみたところ、全く動揺していないではないですか。
Xーrayを見なかったが、普通の人より歯根形態か支持組織に優位性をお持ちの方と思われます。
したがって、画像で想像するより実際は難易度が高くない症例と判断しています、上顎が総義歯で歯槽骨の吸収も少ないと言う好条件もありますが。

コーヌスの場合欠損形態で与える咬合様式や咬合接触を変えなければならないと思っています。
欠損様式は 268,000,000ありますから、法則を見つけ出さないと一概に説明できないと思っていますが、私は作成時に上下関係と犬歯誘導を基本としてケースごとにアレンジしています。
外冠は必ず対合歯と咬合させることは必須で、残存歯のみや人工歯のみに咬合を与えると外冠の維持が発現できなくなり義歯の安定を欠くことになります。
今回は上顎の義歯の安定は得られることが約束されていましたから、下顎3 3に犬歯誘導を与えて臼歯人工歯に側方圧を掛けないようにいたしました。
また、犬歯が支点・作用点と考えると人工歯が力点で遠く離れた後方人工歯ほど小さな力で、犬歯を動かしてしまうからです。
ゆえに、犬歯誘導を与えるなら後方人工歯ほど展開角や咬合接触を弱くする必要があります。
ケルバーの床が長いほど沈下が少ないと言うのは間違っていると思っています、コーヌスは延長ブリッジで沈下を止めてるのは残存支台歯、その為に欠損側支台歯が最初に外傷か根破折を起こすのではないでしょうか。したがって顎堤にかかる圧力は弱いため、粘膜の変動が少ない現象が納得できるのではないでしょうか。
ちょっと説明に無理が・・・

茶々丸さんの質問の答えになってないですね (?_?)
ただし、上記の説明は私個人の見解で、それによる損害に対して責任は負いかねます。
2007.11.22


 
先ほど下記症例の装着に立ち会ってきました。上顎のコンプリートデンチャーも同時作成しました。
結果は上下A3.5の人工歯をを使って仕上げたことで下顎の残存歯との色調の差が数段あり、患者さんの承諾が得られるか心配して手鏡をお渡しました。
試適時にご自身のシェードに合わす事の可否をお話しておきましたが、本番ではとても心配でした。納得はしていただきましたが、今後の機能性の満足度が高ければ色調も許してもらえると高を括っています。
ともあれ、吸着や咬合・フィットには問題がなく数箇所内面と咬合面を削合して帰ってまいりました。
但し、機能性や咬合位の確立の成否は今しばらく判定できません。  2007.11.20



                                         
2日間かけて完成、次のケースの納品が迫っているので画像のみ、ご勘弁を。
対合の残存状態によっては、構造設計上取り入れる支台歯の数も違ってくると思われますが、
このケースではフルデンチャーなので、このような設計でも持ちそうな気がします。
ただ、ガッチリとした体格の男性なので予後には不安が残ります。
所々、気泡に黒いルージュが・・・


                         
ガイドタブは左からA4、A3.5、A3です。
カメラが違うからか腕が悪いのか判りませんが、シェードガイドの色が違います。
控えめな色調に心掛けたが色が合わなかったら、どうしよう。
 
 
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