きょうの臨床                     2007.10.22
 
上顎コーヌスと下顎プロビデンチャーと清掃性に配慮した形態!
 




下顎プロビデンチャーのメンテナンスを考える

上記画像から年齢や性別だけでも患者さんが辿った履歴は、おおよそ察しがつきます。
決して患者さん自身が全て悪いのではなく、これまで関わった医療従事者側にも反省する点は無いわけではありません。この多くの問題を含んでいる症例を根本的に治療することは、咬合の安定、機能性、強度は勿論ですが長期的に安定させるために、この患者さん独自のメンテナンスプログラムが確立されていなくてはなりません。
その独自のプログラムを探るために、下顎はプロビデンチャーを作成し水先案内人の役を期待しました。


重合後でもインプラント頚部や粘膜部分の調整が可能と考え、少し大きめで作成しました。
さらに 、補強線が邪魔をして前歯舌側基底部は完成物のイメージより数ミリ張り出してしまいました。
注意
他社のパーツは判りませんが、ノーベルのプラスチックはレジンと接着しません。


インプラント頚部や粘膜部分の調整
スーパーフロスを試したところ患者さん自身では不可能と思われました。
術者が目視で入れるのなら可能です・・・プロケア時にのみ使用かな。


今回は歯間ブラシが入りやすいように溝を付けることにしました。
今後は 扇状にして清掃面を少しでも多くすること心掛けるようにします。
例え扇状にしても図形から判断して左右最大でも180°、往復運動のみでは90°くらいしか清掃できないようです。


粘膜部分は軟らかめで毛先の細いタフトブラシが清掃がし易いように思われます、そしてデンチャー基底部の半分以上届くくらいまで開放しておく必要があるようです。
インプラント頚部付近は硬めのタフトブラシ及び歯ブラシがお勧めかな?


単冠やブリッジのインプラントでは乳頭の存在で意外と歯間ブラシが入りやすいように感じていましたが、平面な角化歯肉では状況が違うようで一概に開放する量は確定できないように思われました。
この形態では術者でも歯間ブラシを5箇所挿入することができませんでした。
 溝を深くし患者さん自身でトライしていただきましたが、位置や方向が判りづらく数箇所入れることが出来ませんでした。


完成時には溝を入れてあったのですが、・・・
歯肉部の凹凸や 研磨の目減りを考慮してガムをペーパーポイントで削合した故、歯間ブラシが入り難かったようです。
ファイナルのデンチャー基底部をメタルで作る指針はプロビデンチャーの基底部を模型にするしかないのかな〜。


本日は上下装着して終了。  2007.10.22
皆様のご意見をお待ちしております。
 
5ヶ月後!!                      2008.3.26
 

この症例の5ヵ月後です。
下顎最終補綴のため本日医院に伺い咬合器にマウントしてきました。
前装レジンはエプリコードです、凹面にプラークが付着しています、レジンの宿命なのか清掃不足なのか判りません。


コーヌス内面や床レジンは綺麗な状態でした。


ナノコートラボの経過です。
塗布したのは、頬側は人工歯と床の境目、舌側は歯頚部のみでした。
頬側部を観察すると変色しているように感じます、舌側は床のピンクに吸収されて判りづらいようですが変色しているようです。
マイクロクラック様のひび割れのようなものが見えます、尚剥がれてるところはありませんでした。


粘膜面は全てナノコートラボを塗布しました。 ん〜〜〜判断できません。
次の症例 から メタルのアバットメントを使っています。


下顎も人工歯の歯頚部付近にプラークが・・・
粘膜に炎症はありませんが歯肉の形態が良くないです。
 
フレーム完成                       2008.4.9
 


最終的にどの人工歯をメタルするか悩んでいます。


熟考の末このような設計になりました、全てテンポラリーアバットメントを使う予定でしたが、前歯舌側の出っ張りが気になるとのことで2本のみゴールドシリンダーを使いました。



ゴールド15gかかりました、多いのか少ないのか判らない。



メーカーに問い合わせると、名古屋で開業の小柳津さんの電話番号を教えて頂、直接電話でお話ししました。
とてもご親切で細かい部分まで教えていただきました。感謝
多分模型だったら楽に貼れるようでしたが、シルコンにはコツあるようで私には難しかった。
茶々丸さん、ピンポンまんさん、ゆパパさん情報ありがとうございました。
 


キャンセルで試適が延びました。
人工歯の内面に挿入するピンが邪魔をして位置あわせが大変だった。
 
   
 
Copy right by ooyama