脚が折れた原因として推定されるのは、第一に長い欠損にしてはとても細い脚であったこと。
次に、外注した金属床には脚部にスケルトンが乗せてあったにも係らず人工歯の排列に邪魔になるとカットして作業を進めていたこと、全て私の責任です反省。
もしスケルトンがあっても、安易な乗せ方では同じところで破折していたと思われますが・・・
現在は画像のように肩や隣接部分まで覆うようにプレートを作成してもらっています。
内外冠およびメタルプレートを再利用して、粘膜面印象から仕切り直し。
脚破折部はメタルを追加して補強しその上でロウ着しました、脚の上にはレーザーにて補強線を溶接してあります。
咬合高径が低く、肩の部分までスケルトンを延ばせませんでした。
フェーシングはメタル部分がガイドしていたし、ビーズも顔を出していたので硬質レジンを盛るスペースがありませんでした。
メタルを調整しても切縁部で0.3mmほどしかクリアランスが無く、直ぐに磨り減ってしまうでしょう。
メタルオクルザルに生じてるファセットに谷間と鋭い山脈を作り、咬合力を弱めるためのメタルカービングを施し排列・歯肉形成完了。
メタルオクルザル下方の人工歯は既存のものを利用。
17年経過しても金属にその歳月を感じませんし、内面にも傷なども存在していません。 マージン付近にも折れ曲がりなど全く無く患者さん自身が大切に扱っていただいていると想像されます。
最初の画像で確認できる旧義歯左側7破折部の存在をすっかり忘れていました。
排列途中で補強線をレーザーにて溶接してあります。
歯肉形成時右3舌側のメタルプレートの処理忘れ発見、しかし戻りませんでした。
完成・発送
17年間の経過とアクシデントをお見せして、皆さまにバーチャル体験として今後の臨床の参考にしていただければ幸いです。
予測して対処してあれば大掛かりな修理にはならなかったかも・・・