きょうの臨床                     2007.4.26
 
ロングブリッジの強度は?
 

112欠損のようなケースでは、スパンが長く単純なロウ着では長期的に不安が残り、何らかの対策をしておかないと問題が起こることが度々あります。
まして対合歯が前歯しか残っていないような症例では、ポーセレンのチップは当然ですがブリッジの破損に繋がることを予測して強度を上げる機構を与えておきたいものである。
どのようなケースであってもワンピースで鋳造しない私は、特に注意するようにしています。
下顎前歯部の突き上げに抵抗するように、レスト状のものを配しロウ着にするようにしています、ただワックスアップ時はスパンが長くて振れ易く細心の注意が必要です。
下顎前歯が咬み込む部分はメタルにしてあります。


ロウ着間隙は少ないほど変形しにくいと言われていますので、接触しないで限りなく近接するようにすることはとても難しいです。
右画像はレジンで連結し外し具合をチェックして脳にメモリーしておきます、その後レーザーにて仮付け後にチェック・ロウ着後にチェックし以前の記憶とその都度比較します。


左 画像の凹み部分はレーザー痕です。


「ロングブリッジの強度は?」をテーマに作業を進めていましたから、ここから先は掲載する予定ではありませんでした。
しかし、CD90さんのご要望により急遽撮影を再開し載せることにいたしました。
ダウエルピンでの作業は久しぶりで戸惑う部分もありましたが、クラウンを歯列模型へ戻す操作がありませんから、とても楽に作業することができました。
ロウ着前には簡単に茶シリコンまでかけておきます、今回は時間が無くMBのグレーズ後すぐに後ロウ着へと進みました。


流したい部分にペーストの硼砂を予め塗ってからレジンにて連結しています、したがって硼砂が付着している部分には流れ、付着してない部分には当然流れません。
ゴールドとパラでは硼砂の必要量が違います、パラはゴールドの約1.5倍くらい必要で200℃付近で金ローを置く前に再度追加いたします。


今回の後ロウ着はノリタケのスタンドを使い、300℃の炉前でレジンを軟化し取り除いてから金ローを置きました。
スタンドには見えないところに工夫が施してあります、今後公開する予定ではいます。


ロウ着終了。前ロウ着で不足部分やバイト不足部分にも少し流してあります。
ごめんなさい。


ワックスアップ時からとても難しいケースで、バイトが深くスマイルラインが逆になってしましました,、そこが掲載を躊躇した理由です。
両側犬歯舌面の光ってる部分は中心咬合位とガイド面です、左45に対合する部位は欠損しています。
 
      
 
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